「空気」の研究
もちろんgasの研究じゃなくてKYとかの空気です。結構有名な本のはず。
帰れない空気だったからついつい遅くまで、とか
それは違うと思ったけど言い出せる空気じゃなかった、とか
普段の生活でもこの手の同調圧力を感じることはよくあると思います。この程度ならまあしかたないかってなりますが「絶対勝てないけど空気的に戦争せざるをえなかった」なんて理由で戦争起こされたんではたまったものではありません。
この本の冒頭の第二次世界大戦中、無謀と知りつつ空気的に戦艦大和の特攻を決定せざる得なかったなんて話が出てきます。空気による決定は時に人をも殺す強い強制力を持っています。世の中のルールは法律だけではないのです。
払う義務はないけど空気的に払わないわけには行かなかった。
法律的にはアウトだけど世間の空気的に起訴を取り下げた。
そんなこと最近のニュースでも聴いた気がします。
空気の仕業だとわかってるのになかなかそれに抵抗できない。不思議なもんです。
「空気」とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である。一種の「超能力」かもしれない。
山本七平 「空気の」研究より
評価:★★★☆☆☆☆
- 作者: 山本七平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1983/10
- メディア: 文庫
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