エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

知らない人は知らないのかもしれませんが、現在日本ではかなりの数のエロマンガ雑誌が毎月発売されていて日々新作の単行本が刊行されています。

同人誌と同時並行の作家も多く、時代を反映する数々の特殊な性癖の人達用の濃いエロマンガが生産され続けています。絵柄の変化喪さることながら近親相姦・ロリ・ショタ・両性具有・猟奇・調教など様々なジャンルについての考察を具体的な作品名をあげながら勧めています。

エロマンガをたしなむ人なら「ああそうそう、こういう感じだったな」と思うこと請け合いなのですが、この手の微妙な感覚は文章化しないと部外者にはわからないことです。そして時間がたてば僕のような歴史を知っている人にさえわからなくなってしまうことなのかもしれません。

本のタイトルである「スタディーズ」は誇張ではありません。とりもなおさずこの本が現代エロマンガ史の研究であることを示しています。

少女が出ていればロリだとか性格がきつければツンデレだとかいう表面的な理解から一歩踏み込んで、オタク文化の世間に受け入れられづらい側面を見つめてみたい人にはおすすめです。

評価:★★★★☆☆☆

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門