原子爆弾
大学のころ読んだ本。
東日本大地震に伴う福岡の原発事故で久々に引っ張り出して読み返しました。
原爆の作動原理を作られた歴史的経緯を追って書いてある。ちょっと長めの本でしたがドラマチックで一気に読めました。これをよめば原爆についての基礎知識には困ることはないでしょう。
原爆研究は当時の物理学者にとってはすごい魅力的なテーマだったことは想像に難くないでしょう。いろんな人が協力して開発に熱中したけど、いざ原爆が形になりだすと洒落にならないから使うのはやめとこうって言った所で聞き入れてもらえなくなってしまっていたようです。
いろんな分野の研究者があつまってなし得た学際研究としては大成功だったといっていいかと思いますが、成功したが故に日本に原爆が落ちてきたかと思うと複雑な気持ちになります。
原爆だけではなく軍事研究をきっかけに生まれた発明は数多くあり、僕が専門としているNMRもレーダーの研究で得た知識がノイズだらけのラジオ波の検出やスピンエコーの発想のヒントになったことが知られています。
学際的な研究は大事ですが、強く結束できる目標を見つけるのは難しいですね。
評価:★★★☆☆☆☆
- 作者: 山田克哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07/19
- メディア: 新書
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