プロが教える電験3種受験テキスト

坂林という電験界(?)では有名だとおもわれる人の参考書。7割取れば受かるから7割分だけを書くというスタンスではなく、試験範囲の全てをとりあえずのせた参考書を目指したらしい。

その意気は嫌いじゃないけど、この参考書はそういうこととは関係なく初心者に対して不親切だと思う。

まず、大事なこととそうじゃないことの優先順位がわかりにくいのがだめ。説明が箇条書きで、その中のどれが大事で前の説明のどこに対応している記述なのかがよくわからない。法規部分は条文列挙ばかりで読む気も起こらない。

あと一番問題なのが電験の一番の基礎であるところの理論分野の説明が不親切なところだと思う。これはほとんどの参考書に共通の問題なのだが、理系だが電気工学が専門でない人のほとんどは三相交流回路が突然出てくることに困惑する。

何のためにこれが必要なのか、三相の"相"とはいったい何の位相なのかを説明せずにいきなりΔ・Y変換がどーたらいわれても困る。書いてる側としてはきっと初心者は何がわからないのかわからない状態になるのだと思うのが、理論を正確に理解するのがどれだけ大事なのかを知っているならページ数がかさんでも順序を追って説明すべきだと思う。

もしこの本を使うにしても、欲張らずに理論だけは別の参考書で勉強するのをお勧めします。復習用としてはこの本は(法規以外は)結構まとまっていて優秀なはず。

評価:★★★☆☆☆☆

プロが教える 電験3種 テキスト (国家・資格シリーズ 180)

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