Plukenetione Aの全合成
めったに全合成の論文に手を出さない僕ですが、セミナーの文献紹介で回ってきたので読む場合もあります。今回はこれ。
Total Synthesis of Plukenetione A
Q. Zhang, B. Mitasev, J. Qi, J. A. Porco, Jr., J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 14212
アダマンタンににょろにょろ炭素鎖がはえている化合物です。鍵反応は芳香環からアダマンタン骨格への変換反応ですが合成スキームだけを見るならクロスメタセシス反応の強力さが印象的です。
この化合物でアルデヒド+wittingのケミストリーは無謀です。アルドール・レトロアルドールが起こりまくって何がなんだかわからなくなるに決まっています。
クロスメタセシスは逆合成を変えた反応なんだなっていうのが分かります。まぁでもこういうすごい反応はなかなか出てこないんだろうな。