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tripletDNP

DNPといえば固体NMR業界(そんなものあるのか・・・?)では最近はやりの高感度測定法です。これは交差分極とよく似ています。 CP(交差分極)は13Cなどのレアスピンを主に1Hかの分極を移して観測し感度を上げる方法です。このために必要なのがハートマンハー…

つるっつるC-Hのアミノ化

ミーハーなので有名ジャーナルに出ている有機化学の論文はついつい手にとってしまいます。NatureScienceはさすがにおおすごい!って思う論文が多いです。Highly Regioselective Amination of Unactivated Alkanes by Hypervalent Sulfonylimino-λ3-BromaneOc…

ディーエスアルダーゼみつかる

世の中には様々な反応を触媒する酵素があります。触媒する反応の種類によって名前がつけられておりタンパク質分解酵素だったらプロテアーゼ、リン酸化酵素だったらキナーゼとかそんな感じです。これら酵素が触媒する反応の多くはエステルやアミドの縮合もし…

Z選択的メタセシス

Catalytic Z-selective olefin cross-metathesis for natural product synthesisS. J. Meek, R. V. O’Brien, J. Llaveria, R. R. Schrock, A. H. Hoveyda, Nature,2011,471,461Natureに有機化学の話題が出ることは結構レアなのでチェックしておくことにして…

CPPってなによ

その分野では常識でもちょっと別の分野の人が聞いても何のことやらわからない略語というのはよくあります。有機化学でいうと保護基の略称とかがそうなのかもしれません。ベンゼン環がパラ位で環状につながった化合物CPP(Cycloparaphenylene)もその一つかもし…

Pactamycinの全合成

ACIEを眺めてたら全合成の論文を発見したのでメモ代わりに。Total Synthesis of PactamycinS. Hanessian, R. R. Vakiti, S. Dorich, S. Banerjee, F. Lecomte, J. R. DelValle, J. Zhang, B. Deschênes-Simard, Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 3497Pactamy…

In cell NMRってどうなのよ

NMRで生体分子の構造を決める研究においてのよくある質問として、その(in vitroで決めた)構造はin vivoの構造を反映してるの?っていうのがあります。とある分子(たいていの場合タンパク質)が細胞内でとある仕事をしていることが分かっていたとして、そい…

有機化学でRDC

残余双極子(Residual Dipolar Coupling)と聞くと膜タンパクの論文か?とついつい思ってしまいますが小分子の構造決定にも使われることがあるみたいです。Residual Dipolar Couplings as a Powerful Tool for Constitutional Analysis: The Unexpected Form…

メチル基の利用法

メチル基(methyl group)とはいうものの、こいつは有機化学でいうところの官能基(functuinal group)とはずいぶんちがいます。横にケトンがあればまだしも、なんもないメチル基は化学的にはほとんど不活性です。そんなわけで有機化学では空気なメチル基ですがN…

Plukenetione Aの全合成

めったに全合成の論文に手を出さない僕ですが、セミナーの文献紹介で回ってきたので読む場合もあります。今回はこれ。Total Synthesis of Plukenetione AQ. Zhang, B. Mitasev, J. Qi, J. A. Porco, Jr., J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 14212アダマンタンに…

窒素NMR新展開

Very fast magic angle spinning 1H-14N 2D solid-state NMR: Sub-micro-liter sample data collection in a few minutes Y. Nishiyama, Y. Endo, T. Nemoto, H. Utsumia, K. Yamauchi, K. Hioka, Tetsuo Asakura,J. Magn. Reson., 2011, 208, 44http://www.…

あっと驚く同位体効果

同位体(isotope)というのは電荷は同じだけど原子核の重さがちょっと違う原子でできた分子のそっくりさんのことです。ちなみに同素体(allotrope)は同じ元素からできてるけど結合の仕方が違うやつらのことで、こっちは概して分子自体の性質がまるで違います。…

メタ位選択的なC-H結合活性化反応

ここ一年くらいバイトで有機合成化学協会誌の新しい合成の作図をやっているのですが、そこで気になったけど載せられなかった論文を一つ。Copper(II)-Catalyzed meta-Selective Direct Arylation of α-Aryl Carbonyl Compounds H. A. Duong, R. E. Gilligan, …

パラ水素とNMR感度

パラ水素と聞いてどういう分子か説明できる人は化学を専門にしている人でもそう多くはないでしょう。パラ水素とは水素の2つの核スピン異性体の一つで、二つの核スピンの向きが反平行の分子種です。もう片方の、二つの原子の核スピンが平行なものをオルト水素…

ポータブルNMR

このブログのメインコンテンツはNMR関係の論文解説ってことにしました。ってなわけで早速。Towards Portable High-Resolution NMR SpectroscopyBurkhard Luy, Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 354 – 356ACIEに出てたポータブルNMRに関してのhighright。現在…