K氏との会話

去年東京電力に就職した友人K氏(福島第二原発勤務)と昨日久しぶりに電話で話した。例の地震以来連絡が取れなくなっていたので若干心配ではあったのだがどうやら無事らしい。備忘録がわりにメモ。


m_murai「生きてる?」
K氏「生きてる。5kgやせた、この調子でやせたい。」
m_murai「いまどんな感じ?」
K氏「今東京に帰ってきてる。また明日福島に戻る。」
m_murai「まだ原発の近くに住んでるの?」
K氏「住んでる。事故直後は放射能防ぐ制御室的なとこにいたけど、邪魔だから出てけって言われて今は寮に戻ってる。放射能気になる人は目張りでもしとけって言われた。」
m_murai「被曝してんの?」
K氏「分からない。放射線のカウンター人数分ない。」
m_murai「原発なのにカウンターの数足りないなんてことありえるの?」
K氏「さぁ?ないもんはない。」
m_murai「東電の会見に出てる人ってなんで揃いも揃って無能なの?」
K氏「俺が知るか。」
m_murai「第二はいつ復旧するの?」
K氏「お隣さん(事故ってる第一)が一段落しない限り復旧は無理。津波発電所の設備はいろいろ壊れてて直さなきゃいけないんだけど、(避難区域だから)工事会社が来てくれない。」
m_murai「じゃぁそのうち第一にも行けって言われるんじゃないの?」
K氏「いまのところは所長が断ってるから大丈夫。でもどーなるかわからん。第一原発の人はいま第二近くの体育館に避難しててそこから出勤してる。近くに泊まってもいいんだけどその間も被曝するからもったいないらしい。」
m_murai「ブラックだな。東電つぶれんじゃね?」
K氏「そうかも。」
m_murai「あ、でも水俣病おこしたチッソもまだ潰れてないしそこまででもないのか。」
K氏「ずっと賠償金払い続ける会社になるのかもねw」
m_murai「原発に戻るって言って親は反対しなかったの?」
K氏「まぁでも仕事だからねぇ。」
m_murai「やっぱ不便?」
K氏「通販使えないのがね、周りの町は津波で消滅してるし住民避難してるし。だから救援物資で生活してる。放射能より花粉がしんどい。」
m_murai「なんか買ってく?」
K氏「酒買ってく。酒届かない。酒大事!!」
m_murai「そうか、まぁがんばれ。落ち着いたら飲もう。」
K氏「ああ。」

研究室の推薦を勝ち取り入社したものの一年もたたないうちに日本有数のブラック企業勤務に。いままでもそうだがつくづくおもしろい男だ。もう少ししたらニュースの映像で作業している彼を見れるかもしれない、防護服で顔は見れないけど。